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がん治療での日本と世界の乖離 日本で「手術」が多く「放射線治療」が少ない背景 (2/7ページ)

 もちろん、命が助かること以上の望みはない。しかし、日本では手術が一般的であるのに対し、欧米では早期の子宮頸がんの8割が放射線や抗がん剤による治療だ。年齢や体力、その後の生活を考えたとき、外科手術がつねにベストなのか考慮し、ほかの治療法を検討するのはごく自然なことといえる。

 ◆「生存率が下がっても手術は避けたい」の声

 日本では“外科手術至上主義”ともいうべき現状がある。それを示すこんな調査がある。先進国における肺がん(ステージI)の患者が受けた治療を調査したものだ。その数字を目で追うと、不思議なことに気づく。アメリカでは手術が60%に対し放射線治療が25%。イギリスでは手術が53%、放射線が12%。オランダでは手術が47%、放射線が41%などとなっているのに比べ、日本では手術が95%、放射線治療は5%と、出術の割合が大きいのだ。

 諸外国と日本の差について、大船中央病院放射線治療センター長で医師の武田篤也さんが言う。

 「それぞれの国で行われている治療法の違いには、各国の健康保険制度の有無や国策なども関係しているのではないかと推測できます。日本における手術の割合がここまで多いのは、唯一の被爆国として知らず知らずのうちに植えつけられた放射線に対する抵抗感が関係しているのかもしれません」

 さらに、武田さんは医師の専門分野ごとの気質の差も一因ではないかとし、こう説明を続ける。

NEWSポストセブン

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