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【BOOK】「読者には申し訳ないけど、今度こそ本当に最後です」最終章を大きく改稿 小説家・小林信彦さん『決定版 日本の喜劇人』 (2/3ページ)

 --改稿したのは主にどこですか

 「当時は現役だった方たちが今は亡くなっていますから、全面的に手を入れたほか、『日本の喜劇人』の最終章を大きく改稿し、現在までカバーするよう加筆しました。これまで登場していなかった志村けんさんにも触れました」

 --現在気になっている人としては大泉洋さんがあげられています

 「新しい人ということで入れました。ただ、大泉さんはまだちょっと分からないところがありますね。役者や芸人の評価は、どのタイミングでするかが難しいです。ここに書いていないからといって、他の人を無視しているわけでもないんですよ。例えば、とんねるずについて活字で評価したのはぼくが最初だったと思いますが、彼らがやっていた年に1度の苗場でのライヴを見たことがないから、書いていないんです」

 --心に残っている人は誰でしょう

 「私が心を許したのは植木等と渥美清。特に渥美さんはお互い若い時代、顔を合わせれば『晩飯どこで食べる?』なんて話をしていました。渥美さんは『男はつらいよ』の寅さんの印象で、世間的にはのんきな人みたいに見られがちだけど、すごく苦労していますしね、そうしたことも書いておきたかった。森繋久彌さんのスケールの大きさや、由利徹さんのおかしさも思い出されます。由利さんはね、みんな好きになるんですよ。会った中で1番笑っちゃう人でしたね」

 --本書に登場する人は、小林さんが実際に会ったり、子供の頃から舞台や映画で見たりしてきた人ばかりです

 「ぼくが幸せだったのは、この本に登場するような優れた喜劇人たちと知り合いになれたことです。会っていないのは花菱アチャコと伴淳三郎ぐらいですね。それにしても今回びっくりしたのは、生きている人は伊東四朗と萩本欽一ぐらいじゃない? みんな亡くなっている。おまえが生きているのが悪いと言われりゃしょうがないけど…」

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