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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び》シャチの気持ちも分かる…あの大技を作ったレジェンド 鴨川シーワールド (2/2ページ)

 「昔は観客に水がかからないように注意した」というが、今や鴨川のシャチといえば盛大な水しぶきが有名で、前方の席にわざわざ濡れに行く人もいるほど。「水しぶきで見た目以上にシャチの重さや力を感じられる。お客さまも抵抗を感じなくなり、動物との距離が近くなったような気がする」と話す。

 シャチパフォーマンスには賛否があるが、シャチは餌がもらえるなどの条件反射だけで技を行っているのではなく、「おもしろさも感じている」のだそうだ。技はシャチの普段の動作の延長線上にある。それをターゲットと呼ばれる棒の先に付けた球で誘導し、徐々に高くするなどして技にしていく。「新しいことを伝えるとシャチも興味を持ってやろうとする。逆に、同じことばかりで先に進まないと、飽きて離れていったり惰性でやったりしている」

 シャチが惰性で技をやっている様子は想像もつかないが、勝俣さんはともに数年を過ごすうちに動きなどから感じ取れるようになった。「こちらの意図が思い通りに伝わったときが、トレーニングのとても面白いところ」なのだそうだ。

 ちなみに、勝俣さんの妻で同館の獣医師、悦子さん(67)は平成15年、バンドウイルカの人工授精に日本で初めて成功した。国内ではシャチの人工的な繁殖の例はまだないが、同館はイルカでの実績を積みながらシャチの研究も続けていく。新たな伝説が見られる気がする。(ゆ)