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真の“神国”ニッポンの思想とは 幻の教科書『高等科國史』ハート出版・1800円+税

 ハート出版から、『高等科國史』(文部省著、三浦小太郎解説)が発売中だ。価格は税別1800円。

 戦時下の1944年、義務教育となった国民学校初等科・高等科。その国史教育として供される予定だったのが「初等科國史」と「高等科國史 上・下巻」だ。だが高等科の生徒らは戦況悪化の影響もあって、上巻は授業で使われず下巻の発行はないまま45年に終戦を迎えた。

 今作は幻ともいえる「高等科國史 上・下巻」を1冊にした復刻版。天皇中心の“神国”ニッポンの思想と歴史が詰まっている。それらは国体思想や原理主義との因縁がうんぬんされるが、今作をよく読むと、神国とは一つの価値にとらわれない“開かれた思想”として提示されているのを知る。

 グローバル時代にあって中国の海洋進出、アメリカへの依存度問題などを議論する上で今一度、日本人のアイデンティティーを問う1冊である。