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【京都を歩く「ミュジコフィリア」のいる風景】鴨川の中州にピアノを置いて撮影 京都の魔力で自然に溶け込むアートに (1/2ページ)

 京都を舞台にした映画『ミュジコフィリア』が今月12日から京都で先行公開が始まり、いよいよ19日に全国公開される。さそうあきらの同名漫画が原作で、ひょんなことから京都の芸術大学の現代音楽研究会に入会してしまった主人公・朔(井之脇海)と彼に思いを寄せる凪(松本穂香)、朔の異母兄の天才作曲家・大成(山崎育三郎)らをめぐる青春群像劇だ。他に石丸幹二、濱田マリら実力派が競演。筆者は脚本とプロデューサーを務めた。

 オール京都ロケの本作は、京都の風景も見どころの一つだ。だが決して「観光映画」ではない。手前みそながら京都在住の私たちがこだわったロケ地は有名観光地とは一味違う。コロナ禍で旅行を控えていたみなさんにも本作を通じて知られざる古都を楽しんでいただければと思う。

 そんなわけで、まずは鴨川から。朔は周りの音が音楽として聴こえる特別な感性の持ち主。そんな朔にとって京都は音に満ちた場所だ。朝の澄んだ空気に響くししおどし、庭の静寂と水琴窟の不思議な音色、舞妓はんのおこぼ(履物)の音、お寺の鐘、お坊さんの読経、祇園囃子…。

 鴨川は市民の憩いの場で、河川敷では学生が楽器の練習に励む姿も見られる。原作では鴨川で両岸に弦を渡して張るエピソードがある。既存の音楽にはとらわれない現代音楽研究会のメンバーが鴨川全体を楽器にするというアイデアだ。

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