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佐藤江梨子8年ぶり本格グラビア 竹中直人が撮り下ろす『宙を見る女』 (2/3ページ)

 私はいつも、夏子に振り回されてばかりだ。

 長い付き合いだった友人の有島から久しぶりに電話があった。

 有島はもうこの世にはいない。

 有島は私に言う。

 「別れたか??」

 「…え?」

 「だから…夏子とは別れたのか?」

 「いや…」

 「そうか…」

 そのまま電話は切れた。

 有島はあの世からたまに確認してくるのだ。

 夏子がまだ私のそばにいるかどうかを…。

 振り向くと 夏子がじっと私を見下ろしている。

 私はそっと夏子を引き寄せた。

 ●佐藤江梨子の書き下ろしファンタジー

 【壊したのは誰?~side夏子~】

 「なぁ、夏子…。やっぱりいいや。怒るから。言うのやめとく。何でもない」

 無意識に断定的な和夫の言い方、もう慣れたけど、傷つく。鏡の自分に目をやると、髪には白髪がチラつき、目は若い頃に比べて随分と小さくなり、目の膜が死んだ魚のように淀んでいる。首には横皺が目立ち、昔はお椀型をしてた胸も、今は授乳中の猿のような形になった。鏡をみると近頃ゾッとする。

 和夫が怒るから言わないのは、この身体の事だろうか?ストレスで顔を掻くと、銀色の吹出物が出来た。

 この銀色の吹出物が出来たのは、今回が初めてじゃない。ずっと昔、まだ20代だった頃、私は有島さんと付き合ってた。私より2つ年上で、三流週刊誌の記者をしていた。ある日、彼は自らが書いた記事に憤慨したオオモノサンに多分殺された。ホテルで首を吊っていた。遺書らしきものはなかった。私は付き合って1番楽しい時期に、天国から大地獄に突き落とされた。

NEWSポストセブン

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