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【鎮目博道 テレビ用語の基礎知識】「キオク、ともに未来へ」 東日本大震災から10年、本当に協力し合うべきなのは「大災害が起きたその時」 (1/2ページ)

 東日本大震災10年ということで、民放キー局5局とNHKが防災プロジェクトを実施するそうです。「キオク、ともに未来へ。」という共通のテーマで、ニュース企画やドキュメンタリー番組などを、企画開発から番組制作まで局の垣根を越えて協力するということ。この原稿を書いている時点ではまだその番組を1本も見ていませんけど、取り組みとしては良いのではないでしょうか。頑張ってほしいものです。

 東日本大震災のような過去の大災害を各局共同で検証し、報道していくのはもちろん良いことですが、「まだこの程度か」という気もします。なぜなら、本当に各局が協力し合うべきなのは「大災害が起きたその時」だと思うからです。

 多くの人命が失われるような大災害が発生すると、各局は通常の番組の放送を取りやめ、24時間の「報道特別番組」編成に突入します。民放はコマーシャルの放送も取りやめます。大災害の時には放送局は収益を度外視して、災害報道を伝える義務があるのです。私も民放の報道局員として、いくつもの災害報道に携わってきました。

 しかし実は、大災害の時にテレビのチカラは弱いのです。本当に大したことは何もできません。現場にたどり着くことすら困難なことが多いです。精いっぱい頑張りますが、無力感に襲われます。「こんな時でも各局バラバラに放送する必要があるのか? 一丸となって取材や番組制作するべきではないのか」と何回思ったかしれません。

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