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【鎮目博道 テレビ用語の基礎知識】「自死報道」 苦しみ続ける遺族の存在を忘れてはいけない (1/2ページ)

 誰かの突然の死はショックなものです。最近、著名な芸能人の自死のニュースに触れることが多くて、戸惑う方も多いと思います。そして「自死報道をどうしたら良いのか」模索しているテレビ関係者も多いのではないでしょうか。僕も、テレビマンの端くれとして「自分ならどするべきか」悩みますが、正直答えは出ていません。

 さっきから僕が「自死」と書いていることに違和感を覚えた方がいるかもしれません。実は「自死」という言葉をできるだけ普及させるお手伝いをするというのが、僕なりの「どうするべきか」の答えの一つだから、あえてそうさせてもらっています。「自殺」という言葉に傷つけられている人たちもいるからです。

 親族の方を自死で亡くした「自死遺族」の方々は、「自死者は、自分を殺したのではなく、追い込まれたあげくに死を選ばざるを得なかったのだ」という理由などから、「自殺ではなく自死という言葉を使ってほしい」と切に望んでいます。

 病死や事故死などには「死」という言葉が使われているのに、「殺す」という字を使うことによって自死を特別扱いせず、他の死因と同じように扱ってほしいという願いもあります。

 この間、田口まゆさんという自死遺族の方にお会いしてお話をうかがいました。中学生の頃、父が自死した直後に登校したら、学校の先生から「クラスのみんなに迷惑をかけたのだから謝れ」と言われ教室で謝ったそうです。ひどい話です。自死遺族は、さまざまな形の言われのない差別に苦しめられています。

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