記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】今後20年「勝つ企業」の条件とは? ポイントは「スマホでお客さんとつながっている企業」 (2/2ページ)

 世界の数十億人が肌身離さず持っているスマホを押さえていれば、スマホのアプリを使った配車サービスを展開する「ウーバー・テクノロジーズ」、空き部屋を貸したい人と旅人のマッチング・サービスから大きくなった「エアビーアンドビー」のように、1つのシステムで世界中のオペレーションができてしまうからだ。

 宅配代行サービス「ウーバー・イーツ」はあまりもうかっていないが、スマホでつながっているという意味では貴重だ。かなり出不精で、ウーバー・イーツを使いまくっている…ということも、重要な情報になってくる。

 例えば、自動車会社について考えてみる。私はトヨタの車を6台持っているが、トヨタにはそのデータはないと思う。つまり、私が上客だということを知らない。一方、ウーバーのアプリは私のスマホに入っていて、私が利用していることを知っている。タクシーの配車も同様だ。

 自動運転の時代にはスマホでクルマを呼び出したりすることになるが、そのとき自動車会社は何が起こっているか把握できない。そういう意味でも、スマホを押さえているところが勝つわけだ。

 トヨタもウーバーと自動運転技術で提携して、未来のことを考えているが、携帯で顧客と直接つながっていれば、何でも商談を開始できるのだ。今までは家電でも車でも自前の販売店を持ち、顧客が来店してくれるのを待っていたし、そういう販売ネットワークの強いところが勝っていたが、これからは顧客が肌身離さず持っているスマホでつながっていれば、逆に売るものは何であっても働きかけることができる。

 中国の「アリババ」集団や傘下の「アント・ファイナンシャル」も、1つのつながりからどのくらい与信があるかということまで把握していた。中国共産党政権が恐れて上場に待ったをかけるくらい顧客のことをよく知っていた。ということで、これから先、お客とスマホでつながっていることが勝ち組の条件になってくる。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

関連ニュース