記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】SBIの新生銀TOB 地銀の破綻恐れる金融庁には“渡りに船” (1/2ページ)

 インターネット金融大手SBIホールディングス(HD)からTOB(株式公開買い付け)を仕掛けられた新生銀行は、SBIの提案に対抗する防衛策として、助言を求める財務、法務のアドバイザーを選定した。

 助言役に起用したのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とアンダーソン・毛利・友常法律事務所。新生銀行の経営陣の中には、SBI傘下入りに対する警戒感が強い人間も多く、敵対的TOBになる可能性もある。

 SBIHDはすでに新生銀行株の約20%を保有しており、およそ1100億円を投じて、出資比率を最大48%まで引き上げる方針。SBIによる買収価格は1株2000円。TOB期間は9月10日から10月25日まで。

 新生銀行の大株主は、SBI、新生銀行自身に次いで、預金保険機構が約10%、整理回収機構も8%近く保有している。この2つは、いってみれば、国民の税金が投入されたもの。

 新生銀行の前身は日本長期信用銀行。高度成長を支えた名門だった。しかし、バブル崩壊後の経営不振で1998年に破綻し、一時国有化された。外資ファンドの傘下として再出発し、2004年に東証1部に再上場した。

 しかし、株価は再上場当初こそ1株8000円を超えていたが、その後は長期にわたって低迷し、08年のリーマン・ショック後は1000~2000円前後が続いている。国から注入された公的資金など約3500億円を返済するメドも立っていない。09年には、金融庁があおぞら銀行と合併させて公的資金の回収を図ろうとしたが、物別れに終わった。

関連ニュース