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【ABS流 令和NEWバブルのすすめ】「サプライズの仕掛け人」の創造力生かす時代に 顧客の潜在ニーズを喚起できれば、再び活気あふれる時代に (1/3ページ)

 昭和バブルの当時、私(鈴木)は20代後半。中小広告代理店の営業マンで、仕事が分かってきた頃でした。

 当時、メインで担当していたのは明星食品。1981年に「中国四千年の幻の麺」というキャッチコピーで「中華三昧」を発売し、高級即席麺ブームの火付け役となっていました。その中華三昧が87年にリニューアル。それを機にCMも刷新しようということになり、5社によるコンペが行われました。

 中華三昧は当時の社長の肝いり商品で、オリエンテーションでは社長自ら「パリに住む女優の岸恵子さんが、中華三昧をおもてなしに使っているらしい。岸さんに商品をお送りしたらお礼の手紙をいただいた。そのくらい、この商品のクオリティーは高いのです」と熱弁をふるいました。

 会社に戻った私たちは早速、企画会議を開きました。当時の広告はキャッチコピー、つまり「口説き文句」が重要です。そこで、資生堂宣伝部出身で「ゆれる、まなざし」「ナツコの夏」などのヒットコピーを連発した小野田隆雄さんを起用する案が出ました。

 企画会議で小野田さんは「社長の言葉と思いを、そのまま表現するべきだ。それもサービス業である広告代理店の仕事だ」と力説。岸さんが自宅にお客を招き、「拉麺の名作です。」というキャッチコピーを打ち出すCMを提案しました。

 コンペでは、5社の中で岸さんを提案したのはわが社と業界最大手のD社でした。しかしD社は岸さんの単独起用案だったため、社長のストーリーを再現した私たちの案が採用されたのです。

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