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【バフェットの次を行く投資術】若いときから長期投資を始めるべき理由 成果を享受するには5年から10年

 私が上田短資(ハーロー)に入社してからクレディ・リヨネ銀行を退職するまでの10年間は、「体を使ってトレーディング」をしていた時代といえよう。コンマ数秒の違いが、数百億円の損益に結びつくことも珍しくなかったから、神経と肉体を酷使していた。

 業界ではよく「トレーディングの仕事は10年が限界だ」といわれる。例えば、20歳で始めれば30歳まで、30歳で始めれば40歳までということだ。まるでプロスポーツ選手のようだが、実際体力も神経も消耗する。プロスポーツの選手は毎日試合をしているわけではないし、シーズンオフにゆっくりと休めるかもしれないが、トレーダーは平日、場合によっては海外市場を追いかけて深夜まで仕事をしなければならない。

 私がクレディ・リヨネ銀行を退職した理由は色々あるが「こんな仕事一生続けられない」と思ったこともその一つである。

 もちろん、若さと健康と気力がいつまでも続くのなら、そのような「消耗戦」も悪くない。しかし、前回述べたように人間は年をとる。

 実際、私の周辺の同年代の人間から「短期投資は結局儲からないから長期投資へ切り替えたい」との相談を受けることがある。短期投資が儲からないことも理由であろうが、そもそも還暦を過ぎて「ドタバタ」やるのはきついし、若者には絶対勝てない。

 このような方々のお手伝いをしたいのは山々だが、いくつか問題がある。数十年の間に体に染みついた短期投資的思考を拭い去るのが簡単ではないということがその一つだ。長期投資とは、ただ単純に長く株を保有するということではない。もう一つは、長期投資の成果を本当に享受するためには5年から10年は必要だということだ。還暦を過ぎていると「果たしていつまで待てるか?」という問題がクローズアップされる。若いときから長期投資を始めるべき理由である。 (人間経済科学研究所、国際投資アナリスト・大原浩) =敬称略

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