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【大前研一 大前研一のニュース時評】アマゾンがMGM買収のワケ ネットフリックスを見据えている (1/2ページ)

 米国のアマゾン・ドット・コムは先月26日、米映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を買収すると発表した。買収総額は84億5000万ドル(約9200億円)。

 アマゾンにとっては、2017年に137億ドル(1兆4000億円)で買収した米国の高級自然食品スーパーのホールフーズ・マーケットに次ぐ、過去2番目に大きなM&A(企業の合併・買収)となる。

 MGMは1924年設立のハリウッドの老舗で、人気映画「007」シリーズや「ロッキー」シリーズなどを手掛けていた。

 アマゾンは有料サービス「アマゾンプライム」の会員向けに、動画配信サービス「プライム・ビデオ」を提供している。MGMを傘下に収めることで、サブスクリプション(定額見放題)の動画コンテンツを拡充させるわけだ。しかし、それだけではない。

 ネット通販が本業のアマゾンが、動画配信のために1兆円近い買収資金を投入するのは、ネットフリックスを見据えているからだ。世界のストリーミング・サービスの契約者数は、コロナの影響もあって断トツのネットフリックスをアマゾンやディズニー、それにスウェーデンのスポティファイが追っている状態。

 優れたコンテンツを数多くそろえるのは強みになるが、ネットフリックスはその辺、右一式、集めている。そのうえ、13年の「ハウス・オブ・カード 野望の階段」を皮切りに本格的な自主製作にも乗り出している。このオリジナル作品は多額な予算をつけることもあって、ヒット作が続出。既存コンテンツに頼っていた他社との差別化に成功し、契約者数を増やした。

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