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【新・兜町INSIDE】規制見送りに拍手、政府が「中小M&A推進計画」

 中小企業庁がこのほどまとめた「中小M&A推進計画」は後継者難による黒字廃業の阻止など目指し、企業買収や経営統合の円滑化に向けた方針が盛り込まれている。一方、株式市場の関心はM&A仲介手数料の上限設定など規制強化だったが、今回は見送られた。

 中小企業のM&A件数は右肩上がりで推移。足元で年3000~4000件ペースで実施されていると中小企業庁は推測する。

 東証上場企業では、日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズの3社が中小企業に強いM&A仲介大手として知られる。M&A仲介は弁護士や公認会計士などの有資格者が売り手と買い手の話に耳を傾けながら最善プランに仕上げていく職人芸の色合いが濃い。案件ごとのオーダーメードに近く、「手数料体系の統一にはなじまない」(メガバンクの法人担当者)という。

 仲介業者への規制は中小企業の再編を一時的に停滞させるリスクがあるだけでなく、投資銀行が担う大企業のM&A業務にも及びかねない。規制見送りは中小企業庁の粋なはからいかも。

 【2021年5月21日発行紙面から】

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