記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】ソフトバンクG、手放しで喜べぬ純利益5兆 投資先の時価総額の乱高下など構造的な面で心配も (1/2ページ)

 ソフトバンクグループ(SBG)は2021年3月期連結決算で売上高は前年より7・4%増の5兆6281億円、純利益が4兆9879億円となった。

 この純利益の数字は、トヨタ自動車の18年3月期の2兆4939億円を抜き、国内企業で過去最高だ。SBGは国際会計基準、トヨタは米国会計基準を採用。

 純利益を押し上げたのはファンド事業だ。コロナ禍によって世界で金融緩和が進み、各国の株式市場にカネが流れ込み、SBGの投資先も相次いで株価が上昇した。

 特に韓国の電子商取引大手「クーパン」の新規上場によって、含み益は2兆5000億円まで膨れ上がった。

 SBGのファンド事業は、中国の電子商取引超大手「アリババ」の保有株と、17年にサウジアラビアの政府系公共投資ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」(PIF)とともに発足した投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)が主軸。

 SVFは、米国のテクノロジー企業「ウーバー・テクノロジーズ」やオンデマンドフードデリバリーサービス「ドアダッシュ」、シンガポールが拠点の配車アプリの「グラブ」などを運用している。

 今後は、SVFや一昨年設立したSVF2の投資先を増やし、アリババへの含み益依存度を減らそうと考えている。さらに、米国の大物投資家のウォーレン・バフェットと同じように、あの「アマゾン」などの有望IT株も買い始めている。

 ただ、SBGは利益や損失額のスケールが大きくて、前年の20年3月期は過去最大の9615億円の赤字だった。これはSVFが運用した起業家向けに事務所スペースを提供する「ウィーワーク」の運営会社の企業価値下落などによるもの。

関連ニュース