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5秒で身体をスキャン、ぴったり下着提案 ワコールがすごすぎるデジタル店舗を作る理由 (4/6ページ)

 パルレの導入によって、商品提案でのヒアリングから生じる客のストレスが軽減したほか、予約制にしたことで「店頭に入りづらい」「忙しそうで店員に声をかけづらい」といった接客時の課題も改善した。

 ◆世界が一変した1997年

 同社は高度成長期以降、2度の成功を経験した。1度目は1960年代の百貨店拡大に伴う成長、そして2度目は80年代の量販店の拡大による成長だ。百貨店や量販店の販売チャネルを持つワコールも、市場拡大に伴い大きく成功を収めた。

 しかし、90年代後半に百貨店や量販店の売り上げは低迷、国内の衣料品全体の市場規模も減少を始める。「今振り返ると1997年が、世界が一変するターニングポイントだった」と下山氏は分析する。

 97年は消費税が3%から5%に上がり、家計における通信費と衣料品費の支出額が逆転した年だった。今に続く新時代の企業が続々と台頭する一方、時代についていけず衰退を始めた企業が続出したのもこの時期だった。

 97年にAmazonやNetflix、98年にはスタートトゥデイ(現ZOZO)、99年にはアリババが創業した。98年にはユニクロ原宿店がオープンし、ファストファッションブームの火付け役となった。

 下山氏は「これまでの成功体験によって、百貨店や量販店といったチャネルを通じた売り方だけを見続けていた状況がありました。これを見直し、新しい戦略を仕掛けるべく大きく考え方を変えたのが2016年でした」と話す。

ITmedia ビジネスオンライン

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