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【田村秀男 お金は知っている】現金給付で豊かになるのは富裕層だけ? 消費税の大型減税で幅広い効果を (2/2ページ)

 さてこうなると、株式をたくさん保有する資産家や富裕層には笑いが止まらないだろうが、われわれ一般人の懐具合には皆無とは言わないまでも、豊かになる効果はほぼゼロだ。M1の昨年の増加額はわれわれの所得総額に反映する国内総生産(GDP)の21%に上るが、GDPそのものは前年比で22兆円も減っている。

 政府はこの原因を新型コロナ不況に結びつけるのだが、GDPの萎縮は19年10月からの消費税増税から始まり、新型コロナはそれに追い打ちをかけたというのが真相だ。冒頭に挙げた現金給付は内需の縮小を最小限にとどめるはずだったのに、家計消費は戻らず、デフレ病を再びこじらせている。その代償とでもいうべきか、株高が最大の成果ということになる。

 与野党の一部では、米バイデン政権が国民1人当たり約15万円の追加現金支給に踏み切ることから、日本もそれに追随して再び10万円の給付に踏み切れなどとする意見が出ている。一過性の財政出動で済むから、均衡財政主義の財務官僚も最終的には同意するかもしれないが、筆者は賛成しない。現金支援はコロナ禍によって失業など困窮する家計に限定すべきだ。

 景気対策は家計消費を抑え付けている消費税の大型減税によって、満遍なく消費の喚起を行き渡らせるべきなのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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