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【田村秀男 お金は知っている】現金給付で豊かになるのは富裕層だけ? 消費税の大型減税で幅広い効果を (1/2ページ)

 2月25日に3万円台に乗った日経平均株価はいったん急落したあと、リバウンドしている。昨年4月の政府による国民1人当たり10万円と事業者向けの現金給付総額14兆円などの財政支出が空前絶後のカネ余りをもたらし、株高基調を支えているのだ。

 株価とカネ余りの連動ぶりを示すのがグラフだ。「現預金通貨」というのは通貨供給量を示す金融用語の「M1」と呼ばれ、現金と当座性預金の合計である。M1はいつでも現金に換えられるという意味で通貨というわけだ。ちなみに、M1に、定期預金など一定の期間が経てば換金できる「準通貨」と分類される定期性預金を加えたのがM2である。

 一目瞭然、国民各自の預金口座に振り込まれる現金給付開始後、M1は急増し、高止まりし、株価はそれにつり上げられるように上昇してきた。M1の増加額は今年2月、前年同月に比べて119兆円に上り、2019年の年間増加額44兆円の2倍以上である。

 もちろん、M1増には預金とは表裏一体の企業による借り入れ増という要因もある。企業は新型コロナウイルス不況に備えていつでも使える手元の資金を増やしてきた。

 他方で、日銀による株買い、すなわち上場投資信託(ETF)購入も株価を押し上げてきた。日銀のETF購入は年間で12兆円を上限としており、昨年1年間の新規購入は7・1兆円超に上る。

 黒田東彦(はるひこ)日銀総裁の1月27日の国会答弁によれば、株の含み益は12兆~13兆円に上る。当時の株価は2万8000円台だったが、3万円台に再び乗れば、含み益はさらに6000億円以上も増える。

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