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【こんな時代のヒット力】タイトルに意外性「第一印象を徹底工夫」 著者の積極露出・発信で共感呼ぶ (2/2ページ)

 『パン屋』を出すにあたり、細部に至るまで工夫を凝らした。「本の9割は顔(タイトル・カバー・帯)」(庄子さん)と、タイトルは柿内さんと徹底的に話し合い、著者の案を採用した。パン屋、おにぎりという身近な名詞が使われ、思考の本という意外性もある。ただし、これだけでは何の本かわからないので「想像以上の答えが見つかる思考法」とサブタイトルをつけた。

 さらにカバーの裏側に問題を載せ、特別感を強調する工夫を施している。大半の読者が見ていない部分こそ工夫を凝らすと、細部の細部に至るまで徹底した。

 柿内さんをメディア露出することに力を入れたが、「農家がその作物への想いを語るように、編集者が本作りのストーリーを伝えることで、本を読む意義が伝わる」と、庄子さん自身の想いをWEB記事にも公開した。

 本書の中で、庄子さんは「凡人には凡人の強みがある」という言葉が好きだという。柿内さんも「地頭がいいわけではなく、自分の平凡さに辟易しながら生きてきました」(本書より)と苦しみながら、考えることを言葉化、技術化した。

 自分を凡才と認め、編み出した、凡才が戦いに勝つための方法。それを伝える編集者の工夫が、コロナ禍、皆が考えることを求められる新たな時代に、主婦や学生、高齢者と多くの人が手に取っている。 (村上信夫)

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