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【中山徹 俺にも言わせろ】練習場では球数をこなして、ヘッドを体の一部にしてくれ (1/2ページ)

 俺が練習場でボールを打っていると、必ずといっていいほど常連客たちが打席を取り囲む。プロゴルファーだから、人に見られて打つのも仕事のうちだし、知らず知らずのうちに俺のテンションも上がってくる。

 「さすがプロ、うまいものですね」なんて褒められ様ものなら、(ひとつ、ワザでもお見せしようかな)と思ってしまう。

 ボールをマットの上ではなく、コンクリート床に転がし置いて、シュッパン! クリーンヒットしてみせることもある(良い子は決して真似しないでくださいネ)。

 初めて見たお客さんは「オーッ」と声をあげる。「そうか、そんなに珍しいか」と俺が尋ねる。「ダフるのが怖いから、トップボールしか打てそうにありません」と目をクリンクリンに丸めながら、そう答えるアマチュアが少なくない。

 ボールの前後でクラブヘッドのソールを地面からわずかに浮かせ、かつ水平に走らせながら打つのが秘訣。歯といわれるリーディングエッジから打ちに行ったらトップ、ソール後方のバンスが先に接地しても床で跳ねてやっぱりトップボールが飛び出す。

 特にアイアンは番手によってソール後方の出っ張り(バンス)が違うから、それも考慮して打たないと、トップのオンパレードになってしまうのだ。

 「すごいですね」なんて言われた日には、練習場スタッフを呼び出し、板切れを打席に持ってきてもらうこともある。板の真ん中にボールを置き、サンドウェッジで打つ。板にはソール跡が残る。「何度打っても、同じ地点にしかソール跡がつかないから、よく見ていろよ」。曲芸ではないけど、何十万球もボールを打ち、自分のスイングを作り上げたからこそできる技なんだよ。

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