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【実況・小野塚康之 時代を超える名調子】高校時代に見た“曲者”元木大介の才能 一挙手一投足に「意図」があるよう…1塁へ走らず大目玉も!? (1/3ページ)

 高校野球も時代が切り替わる。センバツは平成から令和へ。その前の昭和から平成への転換期を思い起こすと私の頭に真っ先に姿を現す選手がいる。「元木大介」(現巨人ヘッドコーチ)だ。

 昭和最後の春、大阪・上宮の2年生の4番打者で初お目見えして以来、甲子園という舞台で恵まれた素質を開花させ、最終学年の平成最初の夏には、押し寄せるファンの混乱を避けるために、開会式の後は姿を隠さなければならないほどの“渦中の人”となっていた。「モッくん!キャーッ!」の大フィーバーだ。

 個性の際立ち方が尋常ではなかった。人気・実力共に超高校級だった。まず、ビジュアル的に秀でていた。長身で均整がとれたボディー、特にマスクが良い。“美男子”“イケメン”“アイドル”“スター”…評し方は色々あるが、眉がくっきり太く、目はパッチリ、鼻筋は通り、唇の形も整っている。

 その上、「珠の肌」とでもいうのだろうか白く艶やかだった。そう、時代劇の役者のような“二枚目”“色男”。高校生にしては珍しく色気を漂わす特異な存在だった。

 そしてプレーは味わい深く濃厚だ。当然私の視線は彼に張り付いた。元木の一挙手一投足には意図があるように見えた。

 昭和63(19889)年センバツで全国デビュー、まだ注目度はそれほど高くはなかったが、第1号を放ち、甲子園のスターダムにのし上がって行く。実はこれが高校の公式戦初ホームランだ。

 この結果で自信を手にしたそうだ。私も鮮烈に記憶している。左投手の外角から少し中に入って来る速球を1、2、3のタイミングでスタンドまで運んだ。どう見ても狙い撃ちだった。

 直後、確信をもって歩きながら右手を突き上げ、その後ゆっくり走り始めた。“思い切りよく振ったらいい所に飛んで全力で走っていたらホームランになったので自然にガッツポーズが出た”という典型的な高校生のリアクションとは趣の違う大人、玄人の匂いを発散させていた。

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