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広島・長野久義を悩ませる“空間認識能力” 左翼挑戦に不安拭えず…

 広島・長野久義外野手(34)の自動車の運転はかなり独特。その空間認識能力からして、慣れない左翼守備への挑戦は不安いっぱいだ。

 14日のオリックスとのオープン戦(マツダ)で右ふくらはぎに死球を受けて以来、試合出場を見合わせてきた長野。関東遠征で久しぶりに帰京しリフレッシュできたか、自宅から最も近い球場で行われた19日のヤクルトとのオープン戦(神宮)に代打で登場した。結果は空振り三振。試合後はすべての問いかけに「とくにないです」と応じたが、表情は明るかった。

 巨人にFA移籍した丸の人的補償で広島入り。めったにない大物の移籍で赤ヘル党からの期待は大きいが、巨人より層の厚い外野陣でスタメンをつかむのは容易ではない。これまで定位置だった右翼は主砲鈴木が不動で、丸が抜けた中堅の後釜も守備範囲が広い俊足の若手が望ましい。起用の幅を広げようと新天地では左翼にも挑戦中だが、本人は「やばいです」と難しさを口にしている。

 プロ野球選手は概して空間を把握する能力にたけているため、達筆で運転技術が高い傾向にある。ところが長野は巨人時代から駐車場で異彩を放っていた。他の選手がバック駐車しているのに、1人だけ頭から突っ込んで止めるのが常。普通なら1度で済む切り返しも、極めて独創的な角度で何度か繰り返すことがしばしばだった。

 その一方で動体視力のテストでは、全スポーツ選手の中でもトップクラスの数値をたたき出す。おそらく長野の両まなこには、常人とだいぶ違った世界が見えているのだろう。だからこそ、これまでと景色が一変する左翼の守備は順応に時間が必要だ。慣れるには実戦を重ねるしかないが、死球の影響もあってまだ12日の日本ハムとのオープン戦(マツダ)で守ったきり。開幕カードでいきなり実現する古巣巨人戦(同)には、どんな形で登場するのだろうか。(笹森倫)

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