記事詳細

白鵬に完敗も…稀勢の里、それでも「合格」の声 

■13日目=21日、東京・両国国技館

 60回目の対戦とはいえ、稀勢の里(32)が横綱になってからは初めての対決。白鵬(33)は「絶対負けられない」といった感じで、立ち合いに右から張って左を差し、右もこじ入れもろ差しになって寄りたて、稀勢の里は何もできないまま土俵を割った。

 テレビ解説の北の富士さん(元横綱)の「完封負けだね」は言い得て妙。稀勢の里は支度部屋で報道陣の質問に何も答えず、今場所3度目の無言を貫いた。

 前日は、先場所の優勝力士御嶽海の激しい攻めにもどっしりと構え、最後は右上手を引いて寄り切った。横綱として8勝7敗で終わるようなことがあれば、引退危機を脱したとはいえないだけに大きな9勝目だった。

 藤島審判副部長(元大関武双山)はこう断言する。「拾った白星ではなく、本調子ではない中で伸び盛りの相手の攻めをしのいで勝った。まだまだいける感じで、残りどうなるかわからないが、たとえ2ケタ勝てなくても復帰場所としては十分ではないかと思う」

 稀勢の里が所属する田子ノ浦部屋は、年寄名跡をめぐるゴタゴタで千葉県松戸市の旧鳴戸部屋を出て、新部屋ができるまで平成25年末から1年間、元三保ケ関親方(元大関増位山)の定年退職で“空き家”になった三保ケ関部屋で稽古した。

 その縁で、今は歌手が“本業”の増位山太志郎さんは「うちの部屋で稽古してくれて横綱になったんだから、陰ながら応援している。とにかく今場所は皆勤すれば重い肩の荷が下りるだろう」と話す。そして、「もうひと花、絶対咲かせてほしい」と背中を押した。長く険しい復活場所はあと2日で終わる。

関連ニュース