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栃ノ心、カド番脱出へ 「今場所は長いよね」と本音も

 ■大相撲秋場所 10日目=18日、東京・両国国技館

 カド番大関栃ノ心は、魁聖を相手に得意の右四つに組み止め、左上手も十分に引いて寄り切った。6勝4敗で何とか先が見えてきた。「まわしに手がかかったからね」と笑顔ものぞいた。

 稀勢の里に不得手の左四つの力相撲で敗れた前日は、顔を真っ赤にして、それこそ湯気の出そうなほど怒りをむき出しにした。

 頭を冷やした後、「横綱は自分の形になったら強いね。(勝機は)なかったよ」と振り返った。せっかく7日目まで5勝2敗としながら、中日の豪栄道に続き連敗。横綱2人を残して5勝4敗と尻に火がついた。

 かつて平成12年夏場所で新大関になった武双山(藤島審判副部長)は、腰を痛めてせっかくの新大関場所を全休。名古屋場所も相撲にならず4勝11敗と大敗し、わずか2場所で大関を明け渡した。秋場所関脇で10勝し、大関復帰の特例を勝ち取って戻ったが、栃ノ心も同様のピンチに立たされている。

 右足親指の故障に加え、この日はしきりに右膝の状態を気にしていた。「大丈夫?」と水を向けられると「ここまできたら痛いのかゆいの言ってられない」とかわしたものの、「こんな状態だからね。今場所は長いよね」と本音も漏れた。

 藤島副部長は「がっぷり四つから相手のまわしを切ったり、必死さが伝わってきた。足がよくない分、何とかテクニックで勝とうとしている」と評した。

 11日目はまったくスキを見せない鶴竜との対戦。いよいよカド番脱出への正念場である。