記事詳細

ヒヤヒヤさせてこそ“稀勢相撲” 貴乃花親方「お客さんも自分の人生を投影している」 (1/2ページ)

 ■大相撲秋場所 3日目=11日、東京・両国国技館

 連日のヒヤヒヤの展開こそ、人気の要因かもしれない。8場所連続休場から進退をかけて出場している横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が東前頭2枚目の豊山(24)=時津風=に土俵際まで追い詰めながら、逆転の突き落としで3連勝を飾った。

 勝負審判を務めた兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)は「ヒヤヒヤですけど、勝ったからよかった。万全の横綱相撲という感じではないけど、横綱のプライドを捨ててでも泥臭く。必死な姿が稀勢の里の相撲。そういう意味では稀勢の里らしい」と評した。稀勢の里は最後に皆勤した昨年春場所でも、前半戦は危ない相撲が目立ったが、新横綱で優勝を果たした。

 入門時の師匠だった元横綱隆の里は現役時代、昇進するまでの苦難の道のりから“おしん横綱”と称されたが、稀勢の里も耐えて耐えて最後は勝つ“おしん相撲”。西岩親方は「この3日間、必死な姿勢が伝わってくる。それにみんな感動して応援が集まる。今場所はいい相撲を取ろうと思わないで、何が何でも白星を手にする、今日のような相撲でいいと思う」と続けた。

 くしくも似たセリフを残したのが、貴乃花親方(46)だった。

 「スタミナとか精神面とかも大切だけど、相撲人生をかけて土俵に上がっている。もうやるしかない。そういう表情にみえる」とうなずく。自身も7場所連続休場から出場した経験があり「お客さんも自分の人生を投影している。ただの応援という感じではない。(自分も)復帰のときは特にそうでした。それ以外のときとは違った」とダブるものがあるという。