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栃ノ心、大関昇進に“マジック5”? 全勝、単独トップ

 ■大相撲夏場所6日目(18日、東京・両国国技館)

 結びの一番で若武者の阿炎が白鵬を一方的に押し出し、会場に座布団が舞った。この時点で、6戦全勝の栃ノ心がついに優勝争いの単独トップに立った。

 豊山相手にまわしが取れず、突っ張り合いの中で引いて土俵際まで押し込まれたが、逆転の突き落とし。「あせった。気合が入りすぎた」と苦笑いしたが、藤島審判副部長(元大関武双山)は「星を落とさなかったのは大きい。充実しているからこそだろう。豊山も圧力はあったが、“オレは絶対負けないんだ”という気持ちが勝ったように見える」と評価する。

 初場所に西前頭3枚目で14勝1敗で優勝。続く先場所は関脇で10勝した。三役3場所で33勝が目安とされる本来の大関昇進には、三役が1場所足りないが、解説者の北の富士さんは「12勝なら文句なし。11勝でも内容次第」と見ている。今のところ内容は文句なしだから、大関昇進に“マジック5”といったところか。

 2008年夏場所で新入幕。右ひざじん帯を痛めて一時幕下落ちの悲哀を味わうなど、ここまで新入幕から60場所。もし今場所で大関とりが実現すると、のど自慢で1980年初場所後に昇進し“歌う大関”の異名を取った増位山に並び、史上最も遅い昇進になる。

 31歳2カ月で昇進した増位山は、左ひじを痛めて在位たった7場所という短命大関に終わっている。栃ノ心も30歳7カ月と、すでに三十路に入っているが、「まだまだこれから力が出そうなタイプ。増位山さんのようにやっとたどりついた大関ではなく、さらに上への通過点になりそうだ」とある親方はみる。

 大関とりの力士が6日目で優勝戦線の単独トップに立ったのも異例。栃ノ心は支度部屋のテレビで自分が単独トップに立ったことを見届けたが、「まだまだ」という感じで左手で報道陣を制し、そのしぐさにも自信がのぞいた。

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