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【福島良一 メジャーの旅】「自分のデビュー当時を思い出す」隻腕投手・アボットと大谷の共通点 (1/2ページ)

 メジャー開幕戦で初打席初安打を記録したエンゼルスの大谷翔平投手。オープン戦で投打ともに精彩を欠き、米メディアでは「マイナーで調整すべき」などと報道されたが、夢の舞台で見事なデビューを飾った。

 かつて、エンゼルスにはマイナーを飛び越え、いきなりメジャーで活躍した投手がいた。右手が不自由にもかかわらず、全米中の人々に勇気と感動を与えたヒーローといえばおわかりだろう。日本にもファンが多かったジム・アボットだ。

 先天性右手首欠損症というハンディを背負いながら、ミシガン大時代に投手として活躍。1988年ソウル五輪の米国代表に選出され、決勝で日本を下し金メダル獲得。米国最高のアマチュア選手に贈られるサリバン賞など数々の栄誉に輝いた。

 同年6月、エンゼルスにドラフト1巡目指名で入団。翌89年にマイナー経験なしで開幕メジャー入り。先発5番手に組み入れられ、4月8日のデビュー戦は黒星を喫したが、同24日のオリオールズ戦で6回2失点に抑え初勝利を飾った。

 デビュー時は「話題作りの演出」と陰口もあったが、5月17日のレッドソックス戦では初完封勝利を挙げるなど実力を証明。最終的に12勝12敗、防御率3・92をマーク。65年のドラフト制導入後のプロ1年目としては最多の勝ち星を挙げた。