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【高校野球 新・名将列伝】敦賀気比・東監督“前代未聞”の就任挨拶 選手たちはあっけにとられ… (1/2ページ)

★敦賀気比・東哲平監督(3)

 紆余曲折の野球人生に終止符を打つように、東哲平(37)は母校・敦賀気比の監督に就任した。コーチを3年間務めた後の2011(平成23)年の夏。新チームのメンバーを前にした就任あいさつで、話したことは…「決して、僕のような選手は作らないよう、頑張ります」。

 東の高校時代は前回紹介した。当時の監督に「打撃の天才」といわれてテングになり、「練習しなくても打てる」と真剣に練習をしない「野球をなめた選手だった」。この姿勢が大きく影響して社会人野球(三菱自動車川崎)も2年で挫折。「自分にできることは野球しかない」と気付いて指導者を志すまで、長い年月を要した。

 就任あいさつの言葉は冗談でなく、心の底から湧き上がってきたものだった。東は甲子園優勝監督となった今でも、高校3年間を悔やんでいる。

 「僕が選手のときに、『努力すればもっとできるようになるぞ。もっと練習しろ』と言ってくれる人がいれば、違う人生があったかもしれない」

 東は元来口下手で、報道陣にも気の利いた話はできないタイプだが、選手への指導には、自身の高校時代の失敗が根底にある。言葉は少ないが、「僕は気付かせ役。指導者はそれでいいと思っている」。

 努力が足りないぞ、慢心はないか?…などと言葉をかけ、選手に気付かせて、その能力が伸びる方向に持っていく。選手が生活する寮の舎監も兼務して目を配り、努力と継続の必要性を教え込んでいる。

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