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カー娘・藤沢五月、たくさんの夢を背負い最後の一戦へ 平昌五輪

 平昌五輪第15日(23日、江陵カーリングセンター)カーリング女子準決勝でLS北見の日本(世界ランク6位)は韓国(同8位)に延長の末に7-8で敗れ、24日午後8時5分開始の3位決定戦に回った。

 完全アウェー。3500人収容のスタンドを埋めた韓国ファンによる「テーハミングッ(大韓民国)」のコールが響く。延長戦で7-8と惜敗したカーリング女子日本代表、LS北見の司令塔、藤沢五月(26)は「悔しい。言葉にするとその一言」と絞り出した。カーリング選手だった父、充昌さん(58)の影響で始めた競技に魅了され、21年でつかみ取った夢舞台。24日の英国との3位決定戦へ向け「しっかり自分に自信を持って戦いたい」と前を向いた。

 10代からチームの最終2投を任せられてきた。高校卒業後に加入した中部電力でスキップとして日本選手権4連覇に貢献。ところが、2013年9月、日本代表決定戦に敗れて14年ソチ五輪出場を逃した。

 15年の日本選手権で連覇が途切れる。抱いたのは「このままでは世界に行けない」という焦燥感。過去、五輪に2度出場し、LS北見を創設した本橋麻里(31)に誘われ、地元北海道へ里帰りしての再起を決断した。

 葛藤はあった。スキップはチームの大黒柱。自身の離脱は中部電力にとっては大打撃だ。しかし、中部電力のスキップを引き継いだ松村千秋(25)らは「私たちも絶対に負けない」と立ちふさがった。両チームが激突した昨年9月の平昌五輪代表決定戦を制した藤沢は「中部電力がいたから私たちの成長があった」と涙ながらに語った。

 父の夢を背負って戦う五輪でもある。充昌さんは1998年長野五輪で日本代表の最終候補に名前を連ねたものの落選している。その2年前に5歳だった娘にカーリングを教え始め、ジュニア時代までは指導してきた。「カーリングの楽しさを教えてくれて、カーリングを好きにさせてくれた」と五輪で父への恩返しを続けている。

 試合では神経を研ぎ澄まし、ストーンを投じる。時には、重圧に押しつぶされそうになることもある。試合前には鏡と向き合い、表情を確認することがルーティンだ。

 父の、古巣の、そして何よりも自身と現チームメートの夢。「(3位決定戦へ)気持ちを切り替えて、ベストを尽くす」。最後の一戦で銅メダルをつかみ取る。(産経新聞、奥山次郎)

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