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“ど根性”暁斗、骨折隠して3種目完走 「距離では力が入らない状態」だった! 平昌五輪

 その“ど根性”は称賛に値するだろう。ノルディックスキー複合で、渡部暁斗(29)=北野建設=が左の肋骨を骨折した状態で五輪3種目に出場していたことがわかった。本人は隠していたが、競技を終えた22日に全日本スキー連盟(SAJ)が明かした。

 SAJによると今月2日、長野県白馬村で行われたワールドカップ(W杯)白馬大会のジャンプの公式練習で着地に失敗して転倒。病院で肋骨骨折と診断されていた。「距離では力が入らない状態」(SAJ)だったという。

 今大会では1種目の複合ノーマルヒル個人で銀メダルを獲得したが、ラージヒル個人ではジャンプで首位に立ちながら、距離でスキーが滑らず5位に沈んだ。「金メダルは遠かった。頂上は見えているけれど、登り方がわからない」とだけ話した。

 22日のラージヒル団体では、飛躍でチームトップの137・5メートルの大ジャンプ。1位のオーストリアと19秒差、2位のドイツと13秒差の3位で距離につなげた。

 しかし、1番手で弟の渡部善斗(26)が、後続のノルウェーに抜かれ、2番手の永井秀昭(34)は食らいついたが、3番手の山元豪(23)が引き離され、アンカーの渡部暁はなすすべがなく、4位に終わった。

 「大口をたたいて『金メダルを取る』と自分にプレッシャーをかけて臨んだが、ソチと同じ銀メダル1個。4年間やってきて何も変わらなかったという思いがある」

 これが全競技終了後に残した渡部暁のコメントだった。ただ、「言い訳をしない」「愚痴をこぼさない」姿は日本古来の美徳を思い出させた競技ぶりだった。