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高木美帆、どこか冷めていた天才少女に野心が芽生えたワケ 「毛が3本生えてる」 平昌五輪

 【平昌(韓国)14日=飯田絵美】スピードスケート女子1000メートルで3位に入り、1500メートルの銀メダルに続き2個目のメダルを獲得した高木美帆(23)=日体大助手。精神面の成長が著しい。

 初めて五輪のメダルを射止めた激闘から中1日。「ダメージが思った以上にあって、直前まで自分でもどうなるんだろうと思っていた。体がよくここまで戦ってくれたなと思う」。空気抵抗が大きい低地で自己ベストを更新してみせた。

 2組前のテルモルス(オランダ)が金メダル。眼前で驚異的な五輪新記録が出たが、「(テルモルスが)1番になったということは把握して、それ以上は自分との戦いだと思っていた。自分の滑りだけに集中して滑った」。初出場のバンクーバー五輪で重圧に押しつぶされた8年前の面影はもうない。

 中学生で五輪を経験した神童だが、言動に自信が伴い始めたのはここ数年のことだ。報道での強気の発言の数々にびっくりした父、愛徳さん(60)に「どうしたんだ? 何があったんだ?」と聞かれると、「私の心臓には毛が3本、生えてるのよ」とさらり。父を「この子、変わったな」とうならせた。

 “変身”へ導いたのはオランダ人コーチのヨハン・デビット氏(38)。「君はメダルを取りにいく意志を、自分で積極的に表現しないといけない」と口酸っぱくいってきた。大事なのは自信を持つこと。「僕だって国内選手権に出た程度の選手で、決して実績のある人間じゃない。それでも資格を取り、見知らぬ国に来てコーチをするようになったんだ。自分の挑戦を誇りに思っている」と説いたという。

 誰からも才能を認められながら、どこか冷めていた天才少女に野心が芽生えた。次戦は19日、姉の菜那(25)=日本電産サンキョー=らと臨む団体競技のチームパシュート。今度こそ、まだ手にしていない色のメダルをつかみ取る。

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