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沙羅、ソチ五輪から精神面で成長「4年前の自分を見返す」 平昌五輪

 【平昌=奥山次郎】ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(21)が12日夜に行われる本戦に臨む。金メダルの最有力候補とされながら4位に終わったソチ五輪から精神面で成長。「4年前の自分を見返す」と決意をみなぎらせている。

 ソチ五輪で高梨は競技終了直後、7位だったチームメートの伊藤有希に抱きかかえられて涙を流した。「また一緒に五輪に戻ってこようね」と声をかけられても茫然(ぼうぜん)自失。言葉を返すことすらできなかった。「日本に帰っちゃいけない気がした」と打ち明ける。

 ソチ五輪のシーズンは向かうところ敵なしだった。五輪直前までのワールドカップ(W杯)は13戦10勝。しかし、周囲の期待に押しつぶされ、当時から支える山田いずみコーチは「金メダルを取って当たり前というムードで、プレッシャーは、ただごとではなかった」と振り返る。

 主要な個人タイトルからは見放されているのも事実。世界選手権では2011年以降、4大会連続で出場しながら、個人戦は金メダルなし。「勝ちたい試合で結果を残せないことが私の弱いところ」と認める。

 昨オフは「不安の種を潰し切ることが自信につながる」として、休みなく体づくりに着手。スキー板の長さを1センチ単位で調整し、得られる揚力と操作性のベストバランスを探ってきた。

 平昌五輪シーズンの今季は未勝利。W杯10戦で7勝のマーレン・ルンビ(ノルウェー)や2勝のカタリナ・アルトハウス(ドイツ)らに圧倒されている。

 しかし、高梨は1月中旬のW杯札幌大会で2人に大敗を喫しても、「これ以上何をすれば勝てるのかを考えるのは楽しい。こういう感覚はW杯を戦ってきて初めて」と前向きに捉えることができるようになった。精神面では成長してきた。

 思い詰めるような表情の多かったソチ五輪時とは違い、平昌での表情は明るい。仕上がり状態は「90%」。敗れる恐怖におびえていたのは過去の話。強いライバルに勝つ喜びだけを求めて飛べば結果はおのずとついてくるはずだ。(産経新聞)

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