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羽生、王者の熱情「連覇への気持ち一番強い」 平昌五輪

 【仁川=田中充】フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)が11日、練習拠点のカナダ・トロントから仁川国際空港に到着した。昨秋の右足首負傷から復帰した羽生は日本が出場した団体を回避し、16日からの個人種目に絞って調整する。12日以降は五輪会場の江陵アイスアリーナで練習する予定で、13日に記者会見を開く。リハビリを乗り越え、何とか五輪に間に合わせた23歳の絶対王者が五輪連覇の偉業達成に挑む戦いがついに始まる。

 「2連覇したい。どの選手よりも勝ちたい気持ちが一番強い」。仁川国際空港で報道陣からの質問に答えた力強い口調に、決意がにじみ出ていた。昨年11月の右足首負傷から復帰を目指し、五輪2連覇の偉業に挑む羽生が、ついに決戦の地へ到着した。

 ここまでの道のりは多難続きだった。

 当初は回復まで3~4週間とされた予定は大幅に遅れ、痛みもいっこうに引かなかった。五輪代表の最終選考会を兼ねた昨年末の全日本選手権にも出場できず、五輪に万全で挑むためのスケジュールは大幅に狂った。

 満足な練習すら積めない日々に、練習拠点のトロントでリハビリを積んだ23歳にもさすがに焦りが生じた。いつもなら全日本に出場するために母と帰国し、年末年始はそのまま父と姉が待つ故郷の仙台で過ごすことが恒例。しかし、今回は長時間の飛行で患部に悪影響が出ることを懸念し、それすらかなわなかった。

 寒さの厳しいトロントで迎えた五輪イヤー。羽生の元には家族が集まり、関係者らの温かいメールも届いたという。周囲の優しさに触れた心は癒やされ、再びモチベーションを高める原動力になったはずだ。

 1月上旬からは氷上で本格的な練習を再開。一足早く韓国へ入ったブライアン・オーサー・コーチは「数週間で全てがかみ合ってきて、よく練習ができている。(試合に向け)楽観的に捉えている」と明るい見通しを語っていた。そして、この日の羽生の表情は明るく笑顔も見せた。何より、空港で語った言葉の全てが前向きだった。

 もちろん、コンディションはまだ万全ではない。16日のショートプログラム(SP)、17日のフリーに向けて組み込む4回転ジャンプの種類や本数も未確定だ。負傷からぶっつけ本番となる五輪の舞台での頂点へ、直前まで戦略を練り、ギリギリの調整を続ける。(産経新聞)

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