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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「春」》選手のために、コートの色にもこだわりたい

 韓国・平昌五輪の取材で着るダウンコートを昨年の秋から探していた。商品は「黒」が圧倒的に多い。スタイリッシュだし、スマートに見える。着回しもしやすい。でも…。

 「黒以外の色、ありませんか?」

 すてきなシャンパンゴールド色を見つけたが、機能性であきらめた。マイナス15度になるかもしれないという極寒の地で防風性、耐水性で合格したのが、カナダグースというブランドだった。約13万円もした。自腹で買うには痛い値段だ。しかし、“金より健康”。仕方がない。「黒にはしない」。そこに、私は思いを込めた。

 “黒星”をイメージする色は縁起が悪い。日の丸を背負って挑む選手たち。そばで見守る記者の私は、明るい色をまとって彼らのそばにいたい。

 できるだけストレスを与えず、できれば“ハッピーな存在”でいたい。私ができる選手へのエールだと信じている。

 プロ野球東京ヤクルトスワローズの番記者だった頃、監督だった野村克也さんは、とにかく色にこだわった。高名な占い師から毎年、ラッキーカラーを授けてもらい、その色でシルク素材の下着を特注。1枚数万円もするトランクスを1ダースオーダーするのが恒例となっていた。連勝しているときは、験を担いで同じパンツをはき続けたという。

 色に一喜一憂するなんて、滑稽に映るかもしれない。でも、勝負のためにギリギリまで精神と肉体を追い詰めて生きている監督や選手は、「最後」は何にでもすがりつきたい。「良い」と言われることは、何でも取り入れたいのだ。

 勝利への切なる思いを知る私は、報道陣であると同時に、身近な応援団でもありたい。

 あれこれ悩んだあげく、私が選んだのは、赤ワインのような色のダウンコートだった。日の丸の「赤」のように、太陽の燃える「情熱」のように、たぎる「血」のように…。

 私は現在、北海道に出張中。爆弾低気圧が通った北の大地は、一面が雪で真っ白だ。気温がマイナスという寒さの中、さまざまな競技の選手たちが、雪や氷の上で、最後の仕上げとして己を追い込んでいる。

 2月には平昌五輪が開幕。いよいよ本番を迎える。季節は真冬。きっと、かの地もとてつもなく寒いだろう。しかし、サクラは必ず咲く。彼らそれぞれの心に、春のように暖かな結果が舞い込んでくることを、心から切に祈っている。(E)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。1月のお題は「春」です。

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