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【神谷光男 スポーツ随想】「箱根駅伝全国大会化」は時期尚早 大きすぎる東西の温度差をいかに縮めるかが課題

 『箱根駅伝が全国大会へ』というニュースが、先日あるスポーツ紙の1面を飾った。関東の大学で争われている正月の風物詩を、7年後の第100回記念大会で全国の大学へ門戸を開こうというのだ。

 といっても、いきなり本大会に出られるのではなく、タイムなどある一定の基準を満たせば前年10月の予選会(20キロ。各校12人まで出場でき上位10人の所要タイムで競う)への出場を認めることになるという。今年の予選会(通過枠10)は49チームが出場し競争率約5倍の狭き門だった。

 東海大が優勝した今年10月の出雲駅伝では上位9位まで全て関東勢。神奈川大が優勝した今月の全日本大学駅伝も15位まで関東勢が占めている。

 「はっきり言って、関東勢以外は予選会に出ても通過は難しい。全国大会といっても、絵空事に過ぎないのではないか」と関係者は首をひねる。

 15年間破られないマラソンの日本記録(2時間6分16秒)の保持者、高岡寿成(現カネボウ監督)は京都・洛南高時代から注目されたが、「箱根でつぶされたくない」と龍谷大に進学。マラソンで一家をなしたが、近年は高校の有力長距離ランナーは憧れの箱根を目指してほぼ関東の大学に進んでいる。

 関西にも今年79回目となる、関西学生駅伝があり今月末に丹後半島で開かれている。全日本大学駅伝は「大学日本一」決定戦をうたっている。

 ある関西の陸上関係者は苦笑いしながらいった。「箱根ねえ。伊勢の全日本を一番の目標にしているから、その上箱根といってもピンとこない。関西側から“ぜひ箱根に出たい”と盛り上がっているわけでもないし、打診もされてない」

 ちなみに、これほどの“特ダネ”を次の日に後追いした一般紙、スポーツ紙は1紙もなかった。7年先の話である。まずは、大きすぎる東西の温度差をいかに縮めるかだろう。(作家・神谷光男)

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