記事詳細

【水沼貴史 オヤジのためのサッカー塾】25歳カズの記念碑的ゴール ゴールへ猛然とダッシュ、急ブレーキでDFかわす

 ナビスコ杯から数えて25年目のルヴァン杯決勝、C大阪-川崎戦(4日午後1時5分開始=埼玉スタジアム)が行われます。第1回大会の決勝ゴールを決めたのはV川崎(現J2東京V)時代のFW三浦知良(50)=J2横浜FC。この一撃にはすごいテクニックが隠されています。

 第1回ナビスコ杯(ルヴァン杯の前身)は、1992年11月23日に決勝が行われました。Jリーグがスタートする1年前のことです。V川崎-清水の決勝に国立競技場は5万6000人の大観衆で埋まりました。1-0でV川崎が大会初優勝を飾ったのですが、決めたのが25歳のカズでした。

 後半12分、カズがゴールへ向かって猛然とダッシュしたのを察知した味方がパスを出します。それを受けたカズを詰めにきた清水のDF内藤が自分の正面に入ってくる、その動きをカズは予測していました。

 次の瞬間、急に止まり、冷静にボールを左へ運んでからシュートを放ちました。車でいえば急ブレーキをかけたカズの動きに、正面で抑えようとした内藤は完全に裏をかかれました。ボールを左足の甲で確実に蹴ることのできるポジションに持ち込み、ゴールを決めたのです。すごいテクニックですよ、これは。

 「落ち着いて蹴れた。DFの動きもはっきりと見えた」。カズは試合後、してやったりのコメントを残しました。

 カズは中学卒業と同時にブラジルへ飛び出し、そこで見た一級品のプレーに近づこうと地道に練習を積んできました。それは50歳になった今も同じですが、本人にとってもこれは記念碑的なゴールではないでしょうか。(元J1横浜監督)

 ■水沼貴史(みずぬま・たかし) サッカー解説者。1960年5月28日、埼玉県生まれ。FWとして日産の黄金時代を築く。日本代表として32試合に出場、7得点。95年横浜マリノスの前期優勝後に現役引退。2006年には横浜Fマリノスのコーチ、同監督も務めた。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう