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天才打者獲得を阻んだ名スカウトの執念 日本ハムスカウト顧問が明かした甲子園ウラ話 (1/2ページ)

 日本ハムの山田正雄スカウト顧問(72)は少しの後悔と、懐かしさとともに28年前の甲子園を思い出すことがある。

 「3年生の気になる打者がいたんだけど、『打つ方はいいが、性格面に問題がある』という感じで周りの評判があまりよくなくてね。ウチもあまり評価してなかった。でも、俺にはそうは見えない。まじめさを判断するには、守備の様子を見るのが一番いい。その選手はセンターだったからバックスクリーンの横まで行って、じっくり見てやったんだ」

 現役引退後サラリーマン生活を経て球界に復帰した山田氏は、当時スカウト3年目。

 「外野席に着いたら、広島の九州担当の宮川スカウトにいきなり声を掛けられた。『こんなところで何やってんだ?』って。ギョッとしたよ。まさか選手を見てるとはいえない。『気分転換ですよ』ってごまかしたんだけど、宮川さんも横に座って動いてくれない」

 2016年に亡くなった宮川孝雄氏(享年79)は北別府学氏や緒方孝市現監督らを発掘した名スカウトだ。

 「そのうち『出前で鰻を取ったから一緒に食おう』なんて言い出した。当時はおおらかだったから、外野まで出前が来てくれたんだよ。確かに腹も減ってたから、そのまま食べながら見ればいいかと思ったんだけど、『うまいか?』なんて話しかけられて全然プレーが見られなかった」

 甲子園に集まるスカウトは通常、全チームの初戦を視察するとそれぞれの担当地区に戻る。判断を下す唯一のチャンスを逃してしまったのだ。

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