「ベヨネース列岩」に噴火警報 観測難しい海底火山、過去に悲劇も (1/2ページ)

2017.05.19

東京・小笠原諸島の西之島(海上保安庁提供)
東京・小笠原諸島の西之島(海上保安庁提供)【拡大】

 このところ、首都圏から南に延びる火山が騒がしい。3月末、気象庁が「ベヨネース列岩」に噴火警報を出した。4月下旬には西之島新島の噴火が1年半ぶりに再開して、新島は約170メートル四方ほど拡大した。

 ベヨネース列岩は東京の南約400キロ。西之島の約半分のところだ。19世紀半ばにフランスの軍艦「ベヨネーズ」が発見したのでこの名がついた。

 今回、ベヨネース列岩で変色海域が見つかった。海が黄緑色になっていて、海底噴火が始まったのだ。その後も泡が海面上に見つかるなど、盛んな活動が続いている。

 ここは海面上にいくつかの岩礁が突き出ているほか、海面下にもいくつもの岩がある。だが、この付近の海底は水深1000メートルを優に超える。つまり高い火山の山頂がいくつもある海域なのである。

 海上に見えていない海底火山も多い。ベヨネース列岩も、かつての噴火で海上に島が現れたことも何度かあるが、海の浸食で削られて、その後海上からは消えてしまった。

 このベヨネース列岩では、かつて悲劇が起きた。1952年のことだ。海上保安庁の観測船「第五海洋」が海底火山の噴火で吹き飛ばされた。船はバラバラになり、船に乗っていた31人全員が殉職した。

 火山がこれから噴火するかどうか、その動向を調べる大事な手段の一つは山体膨張だ。マグマが上がってきて山体が膨らんでいけば、噴火が近いことになる。

 陸上の火山ならば傾斜計やGPS測定装置も設置できるので山体膨張は見える。遠くからでも表面温度も測れる。だが海底火山では観測の手段が限られる。山体膨張も、観測船が真上に行って測深儀(そくしんぎ)を使って水深を測るしかないのだ。

 
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