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見殺しでも救済でも習政権ピンチ 中国「恒大」の巨額債務問題 「第2のリーマン」か 指導部への不信感増加か

 約33兆円の巨額債務問題で経営危機に陥ってる中国の不動産大手、中国恒大集団。習近平指導部が見殺しにすれば「第2のリーマン・ショック」を招きかねず、中国経済の失速は避けられない。一方で救済すれば富裕層優遇だと指導部への不満が高まるという状況だ。

 中国恒大の経営トップ、許家印主席は21日、従業員向けメッセージで「極めて暗い時だが必ず抜け出すことができると信じている」と述べ、事業継続に意欲を示した。しかし、自力で再建できると考える市場関係者はいない。

 1996年創業の同社は中国の不動産バブルに乗って高層マンション開発から電気自動車(EV)や医療・福祉、飲料水事業にも進出、サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制したこともある広州FC(旧広州恒大)も保有するなど多角化したが、政府がバブル抑制を強めたことやコロナ禍によって経営が悪化し、資金繰りが困難となった。

 習指導部は、貧富の格差を解消する「共同富裕」を掲げて大企業たたきを続けており、「ゾンビ企業」はつぶしたいのが本音。一方で恒大が破綻すれば、投資商品の焦げ付きなど金融リスクが発生する恐れもある。

 かといって、安易に救済すれば怒りの矛先は習指導部に向く。共産党機関紙、人民日報系の環球時報の胡錫進編集長は「市場の手段によって自らを救うべきだ」と政府による救済を疑問視している。

 市場では習指導部が強引にでも金融不安を抑え込むとの見方が強いが、中国経済への不信感は払拭(ふっしょく)できそうもない。

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