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【昭和のことば】突然の引退宣言で流行語にもなった「普通の女の子に戻りたい」(昭和52年)

 ラン、スー、ミキでおなじみのキャンディーズは人気絶頂で迎えた昭和52(1977)年7月のコンサートで、突然の引退宣言をした。そのときのランちゃんのセリフがこれ。ファンのみならず周囲を驚かせ、このことばが流行語となった。

 引退を惜しむファンの後押しなどもあり、活動は翌年の春まで続けられ、後楽園球場で行われた異例のファイナルコンサートには、5万5000人のファンが詰めかけた。当時、まだスターは雲の上の存在だった。そのスターの座を自ら降りるという行動は驚きをもって捉えられ、多くの人の記憶に残った。

 この年の主な事件は、「東京・品川で、青酸コーラ無差別殺人事件発生」「ロッキード事件、丸紅ルート、全日空ルート初公判」「たばこ『マイルドセブン』発売」「初の静止気象衛星『ひまわり1号』が打ち上げ」「王貞治通算756号本塁打達成、国民栄誉賞受賞」「アメリカ海兵隊ジェット偵察機、横浜市緑区の民家に墜落」「日航機が日本赤軍にハイジャックされ、ダッカ空港に強行着陸」「社会市民連合結成(代表江田五月ら)」など。

 山下泰裕が、最年少の19歳で柔道日本一。樋口久子が全米女子プロゴルフ選手権初優勝。映画の世界では、『幸福の黄色いハンカチ』『八甲田山』、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』などがはやった。

 当時のアイドルはまだ「会いに行ける」存在ではなく、がんばって声援を送りに行く存在だった。自主的な「応援団」も全国で組織された。その活動が思い出に残るご同輩もさぞや多いことだろう。

 いまのアイドルオタクとは完全な地続きではないにしろ、そのさきがけとなったのは間違いのない事実である。=敬称略(中丸謙一朗)

 〈昭和52(1977)年の流行歌〉 「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)「北国の春」(千昌夫)「勝手にしやがれ」(沢田研二)

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