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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】津波警報が役に立たない津波!? 2018年インドネシア地震による「海底地滑り」 (1/2ページ)

 津波警報が役に立たない津波があることが、今年の夏に分かった。

 インドネシア・スラウェシ島で2018年9月に大きな地震被害があった。津波は高さ11メートルに達した。主な津波は2度起き、2度目の津波はより大きかった。

 その後の調査で、この津波は地震が震源で起こした「普通の」ものではなくて、地震によって引き起こされた海底地滑りが起こしたものだったのが明らかになった。震源よりもずっと近くで津波が生まれたのだ。

 このほか陸上でも広い範囲で液状化が見られて、泥流も発生した。緩斜面にもかかわらず、地上でも地滑りで1キロメートル以上も滑った。数百メートル滑った家もある。陸地も海底も柔らかい土地なのだ。

 この地震と津波は、スラウェシ島中部のパルとその周辺を襲った。パルは人口34万人。同名の州の州都だ。犠牲者2000人以上、行方不明1300人以上という被害を生んでしまった。犠牲者数は7000人以上との説もある。病院やモスクのほとんどのほか、5階建のショッピングセンターや8階建のホテルも倒壊した。

 地震のマグニチュード(M)は7・5だった。しかしこのときの津波は、どう見ても地震の横ずれというメカニズムから考えられるよりも大きかった。他方、縦ずれならば大きい津波が来る。

 また、震源の場所が遠いのに津波がわずか3分で襲ってきたことも不可解なことだった。震源はパルの北78キロメートルにあった。

 これらは、近くで起きた海底地滑りのせいであることが分かった。

 海底地滑りは海底面が水を含んでいるために陸上よりも発生しやすい。また、いったん滑ると規模が大きくなる。

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