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エリート養成校をめぐり札束が飛び交う北朝鮮の「汚受験」 (1/3ページ)

 金日成氏は、北朝鮮建国前の1947年、平壌に革命家遺族学院を設立した。抗日パルチザン活動中に命を落とした人たちの子どもを教育し、「赤い貴族」とも呼ばれる国を支えるエリートを養成する機関だ。歴史と格式を誇る万景台(マンギョンデ)革命学院を頂点に、女子専門の康盤石(カンバンソク)革命学院、セナル革命学院など、全国に複数の学校が存在する。

 かつてより枠は広がったとは言え、誰もが入学できる状況にないことに変わりはない。革命烈士、愛国烈士と呼ばれる功労者、朝鮮労働党、国家機関、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の幹部の子弟だけが対象となり、地元の党委員長、保衛部長(秘密警察)、安全部長(県警本部長)などによる審査を経て、入学が推薦される。

 権限のあるところにカネが飛び交うのが北朝鮮の常。ここでも、「お受験」ならぬ「汚受験」が横行している。黄海南道(ファンヘナムド)では、革命学院受験をめぐり、一騒動が起きていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

 黄海南道では先月24日、革命家遺児を革命学院に推薦する事業の審査が行われた。対象となった子どものうち、6人が保衛部長の激しい反対で、万景台革命学院ではなく、ワンランク下の南浦(ナムポ)革命学院への入学を推薦することとなった。

 いずれも成分(身分)に申し分のない家の出だったが、保衛部長は直系家族に問題人物がいるとの理由を挙げて、強く反対したのだった。

 (参考記事:【徹底解説】北朝鮮の身分制度「出身成分」「社会成分」「階層」

デイリーNKジャパン

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