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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】小惑星が地球すれすれ通過 観測史上最接近、2068年に300メートル級衝突の可能性 (3/3ページ)

 2029年には地球に衝突することはまずない。しかし「ヤルコフスキー効果」が軌道を変化させる。太陽光から来て小惑星から出る熱エネルギーが、小惑星の表面が暖かくなるのも冷却するのにも時間がかかることによって時間遅れが生まれる。この時間遅れによるアンバランスが軌道を変化させるのだ。

 アポフィスにもヤルコフスキー効果が起きていて、重力だけによる軌道から毎年170メートルずつ、ズレていっている。

 この効果で2068年に地球に衝突する可能性が高まっている。随分先の話だが、地球に向かって落ちてくる大きな小惑星を回避する方法が、その頃にはできているだろうか。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震-人間が引き起こす地震』(花伝社)。

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