記事詳細

【国家の流儀】バイデン政権誕生で米国の“弱体化”加速、中国の脅威高まる懸念も アジア太平洋を守るため、日本も大きな責任を担わないといけない時代に (3/3ページ)

 ■日本は「自由と繁栄のアジア太平洋」構築の自覚を

 コロナ不況で景気が落ち込んでいる中で、法人税増税と企業の医療保険料の負担増、そして最低賃金引き上げに踏み切れば、雇用は間違いなく悪化する。しかも労働組合が強くなることになれば、企業はより人件費の安い海外に生産拠点を移すことになろう。

 地球温暖化対策でも、2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指し、気候変動に強いインフラ整備を進めるべく4年間で2兆ドル(約209兆8400億円)を投資する予定だ。その予算を捻出するため軍事費も削減されることになる。

 要は、バイデン政権になれば米国は軍事的にも経済的にも弱体化していくことになる。米国におんぶにだっこの時代は終わりつつあるのだ。

 言い換えれば、アジア太平洋の自由と繁栄を守るため、日本も大きな責任を担わないといけない時代が到来することになる。そして、すでに日本はその責任を果たしつつある。

 というのも、第2次安倍晋三政権の主導で、日本と米国、オーストラリア、インドによる「日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)」が強化され、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)も締結されている。

 日本主導で、自由と繁栄のアジア太平洋「安全保障・経済」ネットワークを構築してきていることに、もっと自覚と自信を持ちたいものだ。

 ■江崎道朗(えざき・みちお) 評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集や団体職員、国会議員政策スタッフを務め、現職。安全保障やインテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞、19年はフジサンケイグループの正論新風賞を受賞した。著書・共著に『危うい国・日本』(ワック)、『インテリジェンスと保守自由主義-新型コロナに見る日本の動向』(青林堂)など多数。

関連ニュース