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【米中新冷戦】中国・習主席「全身全霊で戦争」台湾併合に向け危険な動き 解放軍「建軍100年」で米軍に対抗できる戦力増強目標 (3/3ページ)

 ◆難局を乗り切る国家態勢構築を

 さらに、10月末に開催された共産党の重要会議「五中全会」では、「解放軍の建軍100年」(27年)の奮闘目標が新たに付加された。コミュニケでは「全面的に戦争に備え…国家主権、安全、発展利益を防衛する戦略能力を高め、27年に建軍100年奮闘目標の実現を確実にする」と記述されている。

 つまり、27年に解放軍を太平洋地域で作戦する米軍と同等のレベルの現代的な軍隊にするということであり、解放軍が台湾併合作戦を妨害する米軍に対抗する軍隊になることを要求している。

 特に、中国海軍は少なくとも3個の空母機動グループを準備するという。この新たな目標は、従来の35年や49年の目標を前倒しで実施しろということだ。周辺諸国にとっては迷惑な話である。

 (4)自衛隊・台湾軍を凌駕する解放軍。

 拙著『自衛隊は人民解放軍に敗北する!?』(扶桑社新書)で詳細に分析しているが、解放軍は、陸・海・空軍、核ミサイル戦力、宇宙戦能力、サイバー戦能力など多くの分野で、自衛隊および台湾軍の能力を凌駕している。その自信が、中国当局を強気にさせている可能性がある。

 菅義偉政権は、スピード重視で「携帯電話料金の値下げ」「行政のデジタル化」などを追求していて好感が持てる。しかし、「安倍路線の継承」を言いながら、目指すべき国家像が見えない。

 わが国は、米中新冷戦の中で難しい立ち位置にある。「名誉ある独立国家」として存続するためには、憲法を改正して、国家ぐるみでこの難局を乗り切る態勢を構築すべきだ。

 ■渡部悦和(わたなべ よしかず) 元陸上自衛隊東部方面総監、元富士通システム統合研究所安全保障研究所長、元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー。1955年、愛媛県生まれ。78年東京大学卒業後、陸上自衛隊に入隊。その後、外務省安全保障課出向、ドイツ連邦軍指揮幕僚大学留学、第28普通科連隊長(函館)、防衛研究所副所長、陸上幕僚監部装備部長、第2師団長、陸上幕僚副長を経て2011年に東部方面総監。13年退職。著書に『自衛隊は中国人民解放軍に敗北する!?』(扶桑社新書)、『中国人民解放軍の全貌』(同)など。

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