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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】「地震弱者」襲ったエーゲ海の大地震 地震少ない地域でなるべく安価に家を作る庶民、こうして大きな被害が繰り返される (3/3ページ)

 だがイズミール市内で約120棟のビルや建物が全半壊して計500棟以上が被害を受けた。この地区が特別に地盤が揺れやすかった可能性がある。倒壊は一部の地域に限られていたからだ。

 このほかに建築基準法違反の疑いもある。めったにない地震には手を抜くこともあるのだろう。

 1999年にトルコ北部を襲って5万人もの命を奪った地震の後に訪れたことがある。人々が建てていた家を見て、私は背筋が寒くなった。地震の前と同じ作りの家を建てていたからだ。

 こうして地震の大きな被害が繰り返される。

 庶民は手元にある安い材料で、なるべく安価に家を作る。地震は庶民の「地震弱者」を選択的に襲うのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震-人間が引き起こす地震』(花伝社)。

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