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【緊迫する世界】米中“開戦前夜”の緊迫状況! 米大統領選に向け台湾海峡めぐり軍事衝突の懸念 菅政権は「ともに戦う覚悟」できるか (3/3ページ)

 米軍は、台湾有事の際は、作戦計画に基づき戦闘行動に入る。

 こうしたなか、米国防総省が9月に発表した「中国の軍事力に関する年次報告書 2020」が注目されている。同報告書では、中国の脅威を「冷戦期のソ連以上」とみなし、「中国人民解放軍は世界最大の海軍力を保有し」「戦力も今後10年で2倍になる」と分析している。

 となれば、他国の知的財産を盗み、東・南シナ海で身勝手な行動を繰り返し、軍事的覇権拡大を進める共産中国を、米国がたたけるチャンスは「今」しかないだろう。

 トランプ氏の頭の中には、万が一、戦闘が始まったとしても中国はどこかの時点で妥協するという計算が働くのではないか。中国は、米国との武力衝突は極力回避しようとするだろうが、米国の挑戦が我慢の限界を超えた場合、メンツにかけて米国に屈しない可能性は高い。

 中国は昔の中国ではない。「米軍と互角に戦える」と自信をつけてきている。その分、台湾をめぐる米中の軍事的緊張の高まりは偶発的衝突から、一気に本格戦争へと発展しかねない。

 そうなれば、日本は米国とともに台湾海峡をめぐり、「ともに戦う覚悟」をしなければならなくなる。菅義偉政権の大きな試練である。

 ■川上高司(かわかみ・たかし) 拓殖大学海外事情研究所所長。1955年、熊本県生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。フレッチャースクール外交政策研究所研究員、世界平和研究所研究員、防衛庁防衛研究所主任研究官、北陸大学法学部教授などを経て現職。著書・共著に『トランプ後の世界秩序』(東洋経済新報社)、『2020年生き残りの戦略-世界はこう動く!』(創成社)など。

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