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【大前研一 大前研一のニュース時評】博士課程の学生数減少 将来のキャリアが不透明 日本は「社会人の進学支援が必要」 (1/2ページ)

 NHKのニュースサイト「NHK NEWS WEB」に「大学院の博士課程学生数、ピーク時の半分に」と題する記事があった。

 科学技術立国を支えるといわれる日本の大学院の博士課程に修士課程から進学する人の数が、ピーク時の2003年度の1万2000人から減り続け、昨年度はほぼ半分の5963人になっているというものだ。

 また、人口100万人当たりの博士号取得者の数も、欧米が増加しているのに対し、日本は08年度の131人から減少し、17年度には119人と、米国、ドイツ、韓国の半分以下の水準にまで落ち込んでいる。

 これを受け、ノーベル化学賞を受賞した旭化成の吉野彰氏の「博士号を取得しても企業や社会の評価は低く、将来のキャリアが不透明のままというのが課題。学生が長期的に研究を続けられる環境の整備や企業の待遇改善などに取り組む必要がある」という指摘も紹介している。

 ただ、私は、現在の日本の大学で博士課程に進んで、大学の先生の下でタダ働きの弟子という立場を続けていても、ろくな研究しかできないだろうと思っている。

 かつて私がMIT(マサチューセッツ工科大学)大学院の原子力工学科に進学した1970年前後、米国の大学院には潤沢にカネがあった。それを先生がコントロールし、「お前、コレコレの額でオレのアシスタントをやれ」と言ってくれたので、生活の心配をすることなく、一緒に研究することができた。授業料も免除された。これはありがたかった。おかげで、博士号を取得することができた。

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