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【昭和のことば】新刊本を同じ内容の廉価版として再発行するという形態 文庫本(昭和2年) (1/2ページ)

 文庫本はこの年、岩波書店の社長・岩波茂雄がドイツの「レクラム文庫」に範をとり発刊したのが最初、もはや100年にも届かんとする古い存在である。当初は『新訓万葉集』など31点でスタート。星1つが20銭で1つ星から5つ星という「廉価版」が受けて大ヒットとなった。

 その後、改造社、春陽堂文庫、新潮文庫など、次々とフォロワーが出現した。新刊本を同じ内容の廉価版として再発行するという形態は斬新であり、また有用だった。おとなたちは競って買いあさり、昭和40年代の子供だった私は、親戚の前で親に「どっちがおもしろいの?」という質問をして、赤っ恥をかいたことがあった。

 この年の主な事件は、「北丹後地方でマグニチュード7・3の大地震発生(北丹後地震)」「金融恐慌始まる」「小田原急行鉄道、新宿-小田原間開通」「若槻礼次郎内閣総辞職。田中義一内閣成立」「芥川龍之介服毒自殺」「三越呉服店、『三越のファッションショー』開催」など。

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