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【昭和のことば】いつの時代にもある…子供にとっての「エッチなもの」問題 ビニ本(昭和52年)

 さすがに今は使わないことばだ。(立ち読みできないように)ビニールでパッケージされ店頭に置かれたポルノ写真集である。

 私が中学生の時だ。深夜にだけ中身が見える自動販売機でも売られ、「自販機本」ともいわれた。昭和52(1977)年頃から増えだしたビニ本は、単なるヌードでは飽き足らず、男女のからみなど、徐々に過激化し「裏本」などと呼ばれた。店頭で買う度胸もなく(売っている店も限られていた)、夜中に親の目を盗み、100円玉を握りしめながら自転車やバイクで自販機に向かったご同輩も多いことだろう。

 この年の主な事件は、「東京・品川で、青酸コーラ無差別殺人事件発生」「ロッキード事件、丸紅ルート、全日空ルート初公判」「たばこ『マイルドセブン』発売」「王貞治通算756号本塁打達成、国民栄誉賞受賞」「アメリカ海兵隊ジェット偵察機、横浜市緑区の民家に墜落」など。

 山下泰裕が、19歳の最年少で柔道日本一。樋口久子が全米女子プロゴルフ選手権初優勝。映画は、『幸福の黄色いハンカチ』『八甲田山』、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』などがはやった。

 子供にとっての「エッチなもの」問題はいつの時代にもある。ベッドの下に隠してあった大量のエロ本を親に見つかって正座して泣かれただの、机の上に出しっぱなしにして焦って家に帰ったら、ちゃんと本棚にしまってあったとか、「おもしろい」話は枚挙にいとまがない。現在のネット上の過激ポルノ氾濫に比べれば、「ビニ本」時代は、まだかわいいものだったのかもしれない。

 正しい性教育も大事だけど、子供たちの好奇心や「のぞき見」のエネルギーをおとながうまくコントロールしてあげてほしいと、昔を思い出しそう願うのである。 (中丸謙一朗)

 〈昭和52(1977)年の流行歌〉 「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)「北国の春」(千昌夫)「勝手にしやがれ」(沢田研二)

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